【書評】『拝金』ネットベンチャー黎明期の雰囲気を知りたい人におすすめなほぼノンフィクションな小説

最近ホリエモンの書籍がすごく手に入りやすい環境になっているので、興味があってもなかなか読まなかったいくつかの本に手を出してみました。自分もこの時代に近いところからネットベンチャーに関わってるのでなんか当時の雰囲気が思い出されてよかったですね。経営者とかじゃないので実際の深い内容まではアレですが。
こちらでホリエモン小説第2弾『成金』のレビューも書いています。
概要
「藤田優作、君はどのくらいの金持ちになりたい?」「そうだな、金で買えないものはない、そう言えるくらいかな」「わかった。それでいこう」年収200万円のフリーター・優作はなぞのオッサン・堀井健史と握手を交わした。そこから彼の運命は大きく変わる。携帯ゲーム事業を成功させ、さらにあらゆる金融技術を駆使。瞬く間に会社は売上500億円の大手IT企業に変貌する。人はそれを「ヒルズの奇跡」と呼び、優作は一躍時代の寵児に。快進撃はさらに続くかに思われたーオッサンの無謀なミッションが下るまでは。金とは、勝者とは、絆とは?感動の青春経済小説。
『拝金』紹介文より

堀江 貴文(ほりえ・たかふみ)
1972年、福岡県生まれ。実業家、ライブドア元社長。
著書に『まな板の上の鯉、正論を吐く』『格差の壁をぶっ壊す!』『稼げる 超ソーシャルフィルタリング』ほか。
公式ブログ「六本木で働いていた元社長のアメブロ」、メールマガジン「堀江貴文のブログでは言えない話」
目次
プロローグ
『拝金』目次より
第1章 邂逅
・夢や希望をうたう
・オッサン
・鳩ボール
・クルッポウ
第2章 契約
・札束絞りのワイン
・無味という美味
・11時47分
第3章 起業
・女の値段
・利益とインゲン
・杉作くん
・俺、走る
・ダビスタ+パワプロ+たまごっち
・バレンタインデーにトドメを刺す
・「好き」という選択
・スペシャルプライス
・ナイス・アイディーア
第4章 躍進
・スプートニク・ショック
・上場
・神への冒涜
・サル
・女と階級
・エリナ再び
・セックス、セックス、セックス
第5章 席巻
・社長室
・株式分割
・球団買収
・ビーンボール
・由里子の予感
・虎の尾を踏む
第6章 激闘
・放送局買収
・MSCB
・ねじれた親子
・時間外取引
・金のために決まってんじゃん
・マスゴミ
・長い夜
・親子喧嘩
・裏切りは強者の美徳
・ゴングはすでに鳴っていた
第7章 決着
・ミスター・チーフデザイナー
・グッドバイ
・優作鳩
エピローグ
あとがき
書評
概要
ホリエモンが自分の半生を元にしたそこらへんにいる年収200万円のフリーターがあるメンターの力を借りて起業して事業を成功させて上場、さらには世紀の企業買収を仕掛けていく中で似たような金持ちがどのような世界に住んでいるのか、どういう考え方を持っているのかなどを学んでいく物語です。
感想や紹介
ホリエモンの半生を基にしているので、名前は少しもじってあるにしてもかなり事実に即した内容が出てきます。
とくに後半については、事実だったらすごいなという内容がどんどん出てくるので、どこまでが事実なのかどこまでがフィクションなのかという点で見てもドキドキする内容になっています。
自分も起業などはしていないですが、WEB業界に長らく勤めているのでこういう世界があるのは知っていますし、一部知り合いに誘われてそういう場にも行った事があるのでかなりリアリティを感じながら読めました。
ただ思った以上に伏線がありつつの回収しつつの、という流れで進んでいくのでいわゆる普通の小説というよりはサスペンスというか推理小説というかそういう流れになっているのはかなり意外でした。もちろんこういう内容の方が受け入れられやすいので、売れる小説を作るためにこういう内容にしたんだとは思いますが、ホリエモンがこういうものを書くとは思わなかったのでかなり意外でしたね。
個人的には起業してから上場するまでの流れをもう少し細かく知りたかったなと思いました。
ただ、それは続編の「成金」に書いているのかもしれないので、このあと読んでみようと思っています。
おすすめな人
ちゃんとした小説好きの人から見たら分かりませんが、自分のようなために読む程度の人間であれば普通に面白く読めるのでWEB業界などのお金持ちの世界を雰囲気だけでも知りたい人にはオススメです。
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