【書評】『成金』ネットバブル前後のネット業界の話

4月 11, 2021

成金

ホリエモンこと堀江貴文さんが書いた、『拝金』に続いての小説第2弾。単純に『拝金』を読んで悪くなかったので、その流れでこちらも読んでみました。

前作『拝金』のレビューはこちらになります。

概要

ITバブル華やかなりし1999年、渋谷。天才プログラマー・堀井健史率いる"チームAKKA"はベンチャー企業をたくみに騙し、資産の一部を中抜きにしていた。彼らの最終目的は過去に遺恨を持つLIGHT通信社の乗っ取り。だが相手は時価総額5兆円、日本を代表するIT業界の雄だ。史上最大の下克上。堀井が繰り出す秘策とは。前作『拝金』に続き、ホリエモンが放つ青春経済小説第2弾。

『成金』商品紹介より
著者紹介
堀江 貴文

堀江 貴文(ほりえ・たかふみ)
1972年、福岡県生まれ。実業家、ライブドア元社長。
著書に『まな板の上の鯉、正論を吐く』『格差の壁をぶっ壊す!』『稼げる 超ソーシャルフィルタリング』ほか。
公式ブログ「六本木で働いていた元社長のアメブロ」、メールマガジン「堀江貴文のブログでは言えない話」

目次

水溜りの世界
第1章 謎のチーム
 ・1999年の7月
 ・最高のアマチュア
 ・ほんま、しゃれならん
第2章 悪貨
 ・ビットバレーの正体
 ・悪貨は良貨を駆逐する
第3章 裏切り
 ・ハリガネムシ
 ・夢の一歩手前
 ・だまし討ち
 ・御座敷キャバクラ
 ・戦争だよ、戦争
第4章 決戦前夜
 ・1984
 ・寝かせと握り
 ・使用済みパンティ3000円
 ・キヨハラ
 ・室外機のぬくもり
 ・勝率2割
第5章 交渉
 ・インテリジェンスの鬼
 ・情報、情報、そして情報
 ・ネゴシエート・ハウス
 ・成金
 ・悪とは実績、悪とは知恵
 ・共食い
第6章 奇跡
 ・ロスタイム
 ・嘘だろ?
 ・2代目社長
 ・コスプレパーティー
第7章 フェイク
 ・水鳥で逃げ出した兵士もかくや
 ・古き良き時代の終わり
 ・ガレージ・オブ・ドリームズ
 ・白旗を揚げたわけじゃない
第8章 アバター
 ・黒幕
 ・SIF
 ・ヴァイブレーション・イン・NY
 ・焦土作戦
 ・集結
 ・鳩ボール
谷で孵ったおたまじゃくしは、丘に登るとカエルとなる
あとがき

『成金』目次より

書評

概要

「拝金」の次回作に当たるホリエモン作の小説。

今回もどこまで本当かは分からないけど、ホリエモン自身のオン・ザ・エッヂ時代に合わせた内容になっています。

なので、今回の話は前作の3年前という設定になっています。

感想や紹介

予備知識ほぼゼロで読んだので最初はどういう話になるんだろう?と思って読んだのですが、

徐々に前作「拝金」で出てきたメンバーの昔の描写が増えていくのにあたりだんだん内容も理解できるようになってきました。

拝金の内容とも密接に絡み合っているので、すでに読んでいる人にはすごく理解しやすい流れになっていると思います。

また、成金から読んだとしても登場人物も少なめなので問題なく楽しめるかと思います。

自分もこの時代くらいからIT業界にいるので、どこかで聞いた話がふんだんに入っていてそれも面白かったですね。

ダイヤルQ2から始まったとか、なんちゃら通信の営業部隊とか完全にその辺りに思いっきり巻き込まれていましたw

自分としては社会人生活の歴史を辿るような流れになってもいるので、その点でも面白かったですね。

おすすめな人

おそらくかなり脚色は入っていると思いますが、今のIT業界を作った人たちの歴史を感じることができるので昔のIT業界について興味がある方は最初の入り口としては面白いと思います。

堀江 貴文 (著), 佐藤 秀峰 (イラスト)