【書評】『日本再興戦略』落合陽一が考えた「さいきょうのにほん」たたき台としての面白さ

4月 18, 2021

日本再興戦略

概要

「情熱大陸」出演で大反響!落合陽一の最新作!
AI、ブロックチェーンなどテクノロジーの進化、少子高齢化、人口減少などにより、世界と日本が大きく変わりつつある。
今後、世界の中で日本が再考するにはどんな戦略が必要なのか。
テクノロジー、政治、経済、外交、教育、リーダーなどの切り口から日本と日本人のグランドデザインを描く。

『日本再興戦略』紹介文より
著者紹介
落合陽一

落合陽一(おちあい・よういち)
1987年生まれ。メディアアーティスト。東京大学大学院学際情報学府博士課程終了。(学際情報学府の早期修了)、博士(学際情報学)。筑波大学学長補佐・准教授・デジタルネイチャー推進戦略研究基盤基盤長、大阪芸術大学客員教授、デジタルハリウッド大学客員教授を兼務。ピクシーダストテクノロジーズCEO。2015年米国WTNよりWorld Technology Award 2015、2016年Ars ElectronicaよりPrix Ars Electronica、EU(ヨーロッパ連合)よりSTARTS Prizeなど国内外で受賞多数。

目次

はじめに:なぜ今、僕は日本再興戦略を語るのか
 ・「欧米」という概念を見直す
 ・高度経済成長の3点セット
 ・落合陽一の3つの再興戦略
第1章 欧米とは何か
 ・「欧米」というユートピア
 ・公平にこだわり、平等にこだわらない日本人
 ・「西洋的な個人」の時代不適合性
 ・「ワークライフバランス」から「ワークアズライフ」へ
 ・「わかりやすさ」の対局にある東洋思想
 ・日本というブロックチェーン的な国家
 ・日本型イノベーションを定義する
 ・2000年に日本が変われなかった理由
 ・平成という破壊の時代を超えて
第2章 日本とは何か
 ・日本の統治構造を考える
 ・イノベーティブな日本の宗教
 ・日本にはカーストが向いている
 ・百姓という「多動力」
 ・中流マスメディアの罪
 ・日本は超拝金主義
 ・日本を絡むトレンディードラマ的世界観
 ・「ものづくり」へのリスペクトを回復せよ
第3章 テクノロジーは世界をどう変えるか
 ・コンビニに行かなくなる日
 ・エジソンとフォードが20世紀を作った
 ・「人工知能と呼ばれているもの」の本質/最適化・統計・創発
 ・近代とは何か
 ・自動翻訳が劇的に普及する
 ・日本のサービスが世界で売れる
 ・自動運転タクシーを安く使えるようになる
 ・東洋のイメージをブランディングする
 ・5Gでテレプレゼンスへ
 ・5Gで自動運転車がつながる
 ・5Gで3次元のリアルタイム中継
 ・5Gで触覚伝達を
 ・「デジタルネイチャー」とは何か
 ・人と機械が融合する自然
 ・テクノロジー恐怖症との折り合い
第4章 日本再興のグランドデザイン
 ・人口減少・高齢化っがチャンスである3つの理由
 ・ゲートのない世界へ
 ・アジアにロボットを売りたい放題
 ・機械と人間の融合が進む
 ・日本は機械親和性が高い
 ・ブロックチェーンと日本再興
 ・日本はトークンエコノミー先進国
 ・地方自治体によるICOの可能性
 ・ICOは新しい「国の形」をつくる戦略
 ・シリコンバレーによる搾取の終わり
 ・世界vsカリフォルニア帝国
 ・ビットコインの未来を占う「3つの問い」
 ・人類史上稀有なチャンス
第5章 政治(国防・外交・民主主義・リーダー)
 ・日本だからこそ持てる機械化自衛軍
 ・インド・中国・北朝鮮
 ・揺らぐ民主主義
 ・民主主義をアップデート
 ・リーダー2.0とは何か
 ・次の10年に向けて
第6章 教育
 ・新しい日本で必要な2つの能力
 ・幼稚園には行かなくてもよい
 ・小学校でするべきこと
 ・センター試験をやめよ
 ・大学生には、研究をさせよ
 ・MBAよりもアート
 ・英語力よりも日本語力
第7章 会社・仕事・コミュニティ
 ・「ワークアズライフ」の時代
 ・恐竜型企業と哺乳類型企業
 ・兼業解禁と解雇緩和をセットにせよ
 ・士農工商を復活せよ
 ・「ホワイトカラーおじさん」の生かし方
 ・フランスの男女平等を真似するな
 ・年功序列との決別
 ・「近代的人間」からの卒業
 ・「自分探し」より「自分ができること」から始める
 ・モチベーション格差の時代
おわりに:日本再興は教育からはじまる
 ・僕が筑波大学を辞めて大学に再就職した理由
 ・僕が学生に投資をする理由
 ・僕がポジションをとる理由

『日本再興戦略』目次より

書評

概要

最近様々な場所やメディアで見るようになった落合陽一が提案する日本再興計画の本。

内容としてはかなり幅広い範囲や視点から改善や改革が語られていて彼の守備範囲の広さや頭の良さがわかるような内容になっています。内容自体もなるほど、とうなづけるものも多いです。

感想や紹介

ただ、個別で考えると考えが相当浅かったり、それを目標にするのは確かにそうだが、そこにもっていくためにかなり高いハードルが予想されるのにそれをやる前提で話が進んでいたりする部分が散見されました。

再興計画なのであえて理想論を掲げているのかもしれないですが、ちょっと夢物語かな?と思わせるものが多いのが残念でした。もう少しふかぼった考察が欲しかったです。

こういう提案というのは必ずアンチが発生していろいろと文句を言ってくるので。全般的にはそうすべきないようなのに脇が甘い提案になると、アンチ有利な流れにもっていきやすくなってしまうのが残念な部分です。

おすすめな人

とはいえ、そもそもよく見るけど落合陽一ってどんなひとでどんな考えもってるの?みたいな興味があるひとや、今の日本にふまんがあるけど具体的にどうすればいいのかよく分からないという人にはお勧めです。