【書評】『マーケティングとは組織革命である』会社に提案を上げる方法が書かれた本

4月 25, 2021

マーケティングとは組織革命である

概要

USJ(ユニバーサル・スタジオ・ジャパン)を劇的な再生に導いた後、マーケティング精鋭集団「株式会社 刀」を設立、マーケティングによる日本の活性化に邁進中の戦略家、森岡毅氏待望の最新刊!!
なぜ、日本企業はマーケティングを活かせないのか?
なぜ、あなたの提案は通らないのか?
実践経験を極めた著者が、あなたを成功に導く新しい<組織論>
「ビジネスは策を立てるより、実行する方が100倍難しい」。
優秀なマーケターが良策を立てても、経営トップに決断させられない、あるいは採用されても組織が動かないなら、結果を出すことはできません。
「会社が"実行できる組織"に生まれ変わり、人を動かすには?」
「社員が組織のために正しい行動を取る"確率"を高めるには?」
本書は、世の中にあふれる教科書的な組織論とは一線を画したビジネスパーソンであれば誰もがしっかりと認識しておくべき、実戦で役立つ組織論です。

『マーケティングとは組織革命である』商品説明より
著者紹介
森岡毅

森岡 毅(もりおか・つよし)
株式会社 刀 代表取締役CEO
戦略家・マーケター。高等数学を用いた独自の戦略理論、革新的なアイデアを
生み出すノウハウ、マーケティング理論等、一連の暗黙知であったマーケティング
ノウハウを形式知化し「森岡メソッド」を開発。経営危機にあったUSJに導入し、
わずか数年で劇的に経営再建した。

目次

はじめに
・1人でも会社に変化は起こせる!
第一部 組織に熱を込めろ!「ヒト」の力を活かす組織づくり
第1章 USJを劇的成長に導いた森岡メソッド
 ・「持続可能なマーケティング力」を目指して
 ・「60点を90点にする組織」とは何か?
 ・会社を支えるのは、たった4つの機能
 ・「ボトルネック」を解消する組織づくり
第2章 マーケティング革命とは「組織革命」である。
 ・会社はなぜ成長できなくなるのか?
 ・マーケティング・ドリブンな組織は生存確率が高い
 ・「売れるものをつくる」組織づくりの本質とは?
第3章 理想の組織とは「人体」である
 ・明確な役割による人体の恐るべき「共依存関係」
 ・多くの会社で神経伝達回路が破断されている!
 ・コミュニケーション不全に陥る「3つの呪い」
第4章 人間の本質とは「自己保存」である
 ・人はなぜ緊張するのか?
 ・行動パターンの原点は「個人 > 組織」
 ・社員を「羊」に変えてしまう組織とは?
 ・「自己保存」の本能を逆手に取るアメとムチ
 ・パチンコの釘のように確率を操作せよ!
第5章 社員の行動を変える「3つの組織改革」
 ・集団知を活かすための「意思決定システム」
 ・個人の強みを引き出す「評価システム」
 ・成功する「相対評価システム」の5つのステップ
 ・社員のモチベーションを上げる「報酬システム」
 ・人事制度改革っは、USJ再生の「一丁目一番地」だった!
第二章 社内マーケティングのススメ 「下」から提案を通す魔法のスキル
第6章 自分起点で会社を変える個人技
 ・社内マーケティングのフレームワーク
 ・「顧客視点」でなければ提案は売れない!
 ・変えられること、変えられないことの違いはどこに?
第7章 あなたは一体何を変えたいのか?(目的の設定)
 ・その提案に「大義」はあるのか?
 ・上司と目的を共有しないと報われない!
 ・目的や戦略があいまいな組織でやるべきこと
第8章 成功のカギはターゲット理解が9割(WHO)
 ・社内マーケティングのWHOは2つある!
 ・価値筋を見つける「ターゲット・アナリシス」の技術
 ・優先順位をつけてターゲットを絞り込む
第9章 何が相手に響くのか?(WHAT)
 ・「公の便益」に訴える
 ・提案に"やりがい"を盛り込む
 ・相手の感情を揺さぶる「真実の迫力」
第10章 伝え方の技術(HOW)
 ・まずは「スタイル」を理解すべし
 ・対話の心理は「押し引き」にあり
 ・スタイルの幅が成功確率を上げる
第3部 成功者の発想に学べ!起点となって世の中を変えた先駆者たち
 ・鈴木敏文
 ・秋元康
 ・佐藤章
 ・佐藤可士和
終章 マーケティングの力で日本を元気に!

『マーケティングとは組織革命である』目次より

書評

概要

USJでプロマーケターとして3年間で見事に人気テーマパークに変貌させた森岡毅さんの本。

森岡さんは他にも「確率思考の戦略論」や「USJのジェットコースターはなぜ後ろ向きに走ったのか」などUSJで実施したマーケティング施策についての本を書いていて人気になっていますが、それの第3弾的な本になります。

心に残ったフレーズや内容

一番印象に残ったのは戦略を構築する上での「実現可能性を示したUSJの「わらしべ長者」戦略の部分で、ハリーポッター建設に必要なキャッシュを稼ぐために低予算のアイデアを逆算から考えていく部分でした。具体的には

コラボや低予算アイデアで稼ぐ
→新ファミリー・エリアで稼ぐ
→ハリー・ポッターで稼ぐ
→パークの他拠点展開で稼ぐ
→アジア最大のエンターテインメント・カンパニーになる 

という階段で考えていくという方法は大きな目標を叶えるためのやり方として自分として非常に参考になりました。

読むのにおすすめな人

他にも経験に基づいた下から会社に提案を上げる方法がいくつか記載されているので、なかなか会社に提案を上げられていないと悲観的になっている人は一読すべき本だと思います。