【書評】『18歳の著作権入門』18歳どころか大人も全員読んだほうがいい本。最新事例も多い。

購入時にkindleでセールをしていたので買った本。仕事柄著作権はそこそこ普段から気を使っているのですが、業務だとなかなか細かい部分だけの知識しか身につかないので定期的に入門本は読むようにしています。この本は結構よかったです。
概要
コピペも、ダウンロードも、リツイートも! 基礎的な知識から、デジタル化が揺さぶる創作と著作権の現状を知ろう。子どもから大人まで必読の著作権入門。
『18歳の著作権入門』商品紹介より

福井 健策(ふくい・けんさく)
弁護士・ニューヨーク州弁護士。1991年東京大学法学部卒業。米国コロンビア大学法学修士課程修了(セゾン文化財団スカラシップ)。骨董通り法律事務所代表パートナー、日本大学芸術学部客員教授。主な著作に『著作権とは何か』『著作権の世紀』(集英社新書)、『「ネットの自由」vs.著作権』(光文社新書)、岡田斗司夫との共著で『なんでコンテンツにカネを払うのさ?』(CCCメディアハウス)等多数。
目次
はじめに
『18歳の著作権入門』目次より
第一部 基礎知識編
第1章 「著作物」って何? - まずはイメージをつかもう
第2章 著作物ではない情報(1) - ありふれた表現や社会的事件は?
第3章 著作物ではない情報(2) - アイディア、実用品は?
第4章 著作権ってどんな権利? - 著作権侵害だと何が起きるのか?
第5章 著作権を持つのは誰か? - バンドの曲は誰のもの?
第6章 どこまで似れば盗作なのか? - だってウサギなんだから
第7章 どこまで似れば盗作なのか(続) - だって廃墟なんだから
第8章 個人で楽しむためのコピー・ダウンロードはOKか
第9章 引用は許されるのか?教育目的での利用は?
第10章 まだある「できる利用」 - 入場料のイベント、写り込み
第二部 応用編
第11章 ソーシャルメディアと著作権 - つぶやきに気をつけろ!
第12章 動画サイトの楽しみ方 - 違法動画を見てよい?「歌ってみた」は?
第13章 JASRACと音楽利用のオキテ
第14章 作品を広めるしくみ - 噂の「CCマーク」を使ってみる
第15章 青空文庫を知っていますか? - 著作権には期間がある
第16章 「海賊版」の問題 - 作り手たちが本当に困るのは?
第17章 「命を惜しむな。名を惜しめ」 - 著作者人格権(1)
第18章 加筆、アレンジはどこまでOKか - 著作者人格権(2)
第19章 二次創作 - パロディ、リミックス、サンプリングの限界は?
第20章 著作権は何のためにあるのか?著作権をどう変えていくか?
あとがき
書評
概要
18歳の人に向けた著作権に関する情報を分かりやすく網羅的に書いた本。
タイトルに「入門」とある通り、この本を読めば一般の社会人として必要な著作権に関する情報は大体この一冊で手に入ると思います。
感想や紹介
構成としては大きく基礎知識編と応用編に分かれており、基礎知識編では著作権とはこういうものである、著作権にもこういう種類があるという説明がされています。
応用編では、さらにそれを押し進めた形でソーシャルメディアで気をつけるべき著作権や音楽著作権とJASRAC、クリエイティブコモンズなど、実際に生活の中で著作権に関わるときに気を付ける注意点や関連団体などの説明が入っています。
この本の特徴として、18歳の人に向けた本ということでいわゆる入門本という構成で広く浅く分かりやすく、という部分はもちろんなのですが、最近の若い人に関連しそうな事例や言葉を多く使っています。
心に残ったフレーズや内容
代表的なのはTwitterやYouTubeなどを代表にしたSNSやCGMサービスを事例に多く使っています。
特に音楽著作権の部分では「YouTubeに歌ってみたはアップしてもいいの?」など、著作権を学んできたら必ずふと思いつくような疑問にについても、著作権の発生や音楽著作権はどういう構成で成り立っているのか?さらには著作者とJASRACの関係、JASRACとはどういう団体なのか?さらにはJASRACで管理していない権利とレコード会社が管理する原盤権などを網羅的に扱ってくれています。
そのため、説明する範囲は広いのですが、なぜそういう構造になっているのか?という理由や成り立ちをきっちり説明してくれているので理解はしやすいと思います。
読むのにおすすめな人
ビジネスで著作物を扱うことになった社会人の最初の一冊としてもおすすめですし、ネットでよく投稿している学生も知らず知らずに著作権違反して逮捕や損害賠償の大事にならないように予習しておくにはすごくおすすめな本です。新書で値段も安いのでお気軽に買えます。
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