【書評】『相手を巻き込む伝え方』企画を通す時の振り返りに

相手を巻き込む伝え方

本業はWebディレクターなので人を巻き込んで進めるのが本来求められているのですが、最近はタイミング的に個人仕事が多かったので改めてディレクションの仕事をするために振り返りのために購入しました。改めて読んで色々と感じることがありました。

概要

5000人の提案力が劇的に変化!やりたいことを実現している人は“何を”“どう”伝えているのか?「型」でロジックの限界を突破する「提案」の技術。

「BOOK」データベースより
鵜川洋明

ミラクカンパニー株式会社代表取締役社長。キャリア・ディベロップメント・アドバイザー、ワークショップデザイナー。
1996~2013年まで株式会社ファンケルで店舗事業統括マネージャー、銀座ファンケルスクエア館長などを歴任。主に新規事業や新業態構築、店舗スタッフ向け人事教育プログラム構築などを行う。
2013年に独立。現在は、情報編集やマーケティング・コーチングなどを融合・再編集した独自のキャリアデザイン手法「ビジョナリーワークデザイン」を確立。個人・法人向けに個別コーチングやワークショップ型研修、事業構築コンサルティングなどを提供している。これまでに、ビジネスパーソン、学生、主婦、アスリートなど、のべ5000人以上に伝え方を指導。

目次

はじめに
プロローグ
第1章 <着想>提案は3つの意味を重ねること
STORY 01 酷評
 ・この指とまれ!
 ・着想の起点を変える
 ・インサイドアウト起点とビジョン起点
 ・インサイドアウトの手がかり
 ・意味とは何か?
 ・マーケティングの新4P
 ・3つの意味が重なれば人は動く
 ・<世の中の変化の潮流①>SDGs
 ・<世の中の変化の潮流②>エクスポネンシャル思考
 ・意味のイノベーションを起こせ!
第2章 <構成>提案を「物語」にする4つの「型」
STORY 02 「型」を知る
 ・提案を物語にする4つの「型」
 ・1枚で十分に伝わる
 ・「型」を使う3つのメリット
 ・未来=Vision
 ・シフト(変化)をイメージする
 ・イメージを豊かにするオノマトペ
 ・見えていないことを見せる
 ・今なぜ=Why
 ・気づきを生んだひと言
 ・必然性を生むシリアス・ビジョン
 ・価値=Happy
 ・どうする=Key-idea
第3章 <表現>提案の「解像度」をあげる物語の5要素
STORY 03 父の会社へ
 ・相手の心に響かない
 ・物語の5要素
 ・臨場感でイメージの解像度が上がる
 ・体験は臨場感の源泉
 ・親ビジョンと子ビジョン
 ・相手は相手の眼鏡で世界を見ている
 ・相手の真に望むことに耳を傾ける
第4章 <解放>「提案」を楽しむ心の状態をつくる
STORY 04 不安
 ・提案が苦手だと感じる根底にあるもの
 ・必要な緊張といらない緊張
 ・周りの評価なんてクソくらえ!
 ・怖れのメカニズム
 ・言葉で自分を解放する
 ・視座を変えると見方が変わる
 ・自分のビジョンがもたらせてくれるもの
STORY 05 エピローグ 2年後
おわりに

『相手を巻き込む伝え方』目次より

書評

ファンケルで店舗事業統括マネージャーや銀座ファンケルスクエア館長などを歴任し、主に新規事業や新業態構築などを行ってきた鵜川さんが書いた本。

新しいことを提案するときに必要なことを丁寧に解説しています。実際に会社に提案するときの流れを物語形式としても書いてあるので、実際にどういう反応があって、どう感じてそのときにどうするか?というのが分かりやすく理解できます。

こう書いていて思ったのですが、提案を通すには「物語」形式が必要とこの本でも言っているので、自分のメソッドを提案相手をこの本の読者と見立てて、実際に読者に自分のメソッドを提案しているという形式になっているのかもしれないです。ただ、この著者の考えなどはすごく理解しやすかったです。

本のタイトルにある「相手を巻き込む伝え方」という点でいうと少し期待とは違う流れで、仲間内や会社でどうやったら周りを流れの巻き込んでいけるか?というよりは、ある程度大きい提案をするときどうやって進めていくか?そのためには周りを巻き込んでいくことが必要、というところで最初の言い方がスモールスタートとすれば、ビッグスタートというか大きな提案ありきな流れなのかな?と思いました。

ただ、普段からこの本で言われていることを心がけていければスモールスタートにも通用するはずだとは思います。

この本で一番心に残ったフレーズは、

提案の場面で不安に襲われそうになるときよく心の中でつぶやいていた言葉があります。それは「受け取るのは相手の自由、自分はただ自分が本当に相手にとって価値があるだろうと感じるものをこの場に差し出すのみ。ただそれだけ」というものです。

の部分ですね。つまり提案によって企画や自分にとってネガティブな反応を受けたとしても、それはどうでもいい。自分としては自分のできる限りをやればいいだけ、というある意味本質的でかつ、いい割り切り方だなと思いました。コレは今後大きめの提案やプレゼンがあるときに心がけていこうと思いました。

仲間内でも会社の仕事でもある程度大きな提案をしていきたいことがあるときにこの本を読んでおくと技術的にも心理的にも取り組み方の流れが掴めそうだなと感じました。

おすすめです。